不妊専門鍼灸院 銀のすずは
自然妊娠から体外受精までの方を専門でサポートしています。

不妊治療中のお酒は飲んでも大丈夫でしょうか?
と、聞かれることがあります。
果たしていかがなものでしょうか?
アルコールの歴史は古く、人類の歴史と深く結びついており、その起源は古代にさかのぼります。
酒の起源としては紀元前7000年頃、自然発酵による偶然の発見です。
穀物や果物が自然発酵してアルコールを含む液体ができたことに由来します。
最古のアルコール飲料の痕跡は、中国(紀元前7000年頃)の遺跡で発見されました。
蜂蜜、果実、米を使った発酵飲料が製造されていたことが分かっています。
紀元前2000年頃になると、酒は古代文明において、神々への供物や儀式の重要な要素として用いられました。
ギリシャではワインが主流で、神々と人間をつなぐ象徴として使われました( 酒神ディオニュソスの崇拝)。
日本の酒文化の始まりは、古代日本で米を発酵させた「口噛み酒」にあるとされています。
村の人々が口で米を噛み、唾液中の酵素で発酵させる方法が取られました。
また日本書紀や古事記には、酒に関する神話が多く記録されています(スサノオがヤマタノオロチを退治した際に用いた酒)。
やはり宗教との絡みがあるようですね。
また酒は薬としても重宝されることが多く、消毒や鎮静剤としても利用されました。
さらに社交場でのコミュニケーションズツールや貨幣としても利用されました。
当然ながら料理にも使われていました。
やはり日常生活では切っても切り離せないものとなっていました。
となると・・・。
子供が欲しいと思った夫婦、妊活をしている夫婦、妊娠中の女性、産後の女性は、一切のアルコールを摂らなかったのでしょうか?

さてアルコールのことをもう少し掘り下げてみます。
アルコールは、有機化合物の一種で、炭化水素に1つ以上のヒドロキシ基(-OH)が結合したものを指します。
CnH2n+1OH

炭素数や構造により分類できます。
単純アルコール
例:メタノール(CH2OH)、エタノール(C2H5OH)
多価アルコール
ヒドロキシ基を複数持つもの(例:グリセロール)
環状アルコール
ベンゼン環などにヒドロキシ基が結合しているもの(例:フェノール)

飲料としてのアルコールは、エタノール(C2H5OH)を指します。
エタノールは発酵により生成され、飲用可能なアルコール飲料の主成分です。


続いて、酒類にはどんな種類があるでしょうか?
・発酵酒
発酵によってアルコールを生成する飲料で、アルコール度数は一般的に3~15%程度です。
ビール、ワイン、日本酒、黄酒
・蒸留酒
発酵酒を蒸留してアルコール度数を高めた酒で、アルコール度数は20~60%程度です。
ウイスキー、ブランデー、焼酎、ウオッカ、ラム、テキーラ
・混成酒
発酵酒や蒸留酒に香料や糖分を加えた酒で、アルコール度数は15~30%程度。
リキュール、梅酒
・その他の酒
スパーリング酒、フォーティファイドワイン

さて、アルコールが身体に悪いとされている原因は何でしょうか?
①アルコール自体
②糖質
③果汁やジュースなど混ぜるもの
これぐらいしかありません。

①ですが、何が身体に悪いのでしょうか?
それは、アルコールの性質を知っておく必要があります。
・神経系に働きかけ、興奮・鎮静作用をもたらす
・過剰摂取すると中毒を引き起こすこともある
まあ誰もが経験し、見聞きしたことがあることですね・・・。
他にはないのでしょうか?

それを知るためには、アルコールが体内でどのように代謝されていくかを見ていきましょう。
口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分が肝臓で処理されます。
肝臓内では、まず、ADH(アルコール脱水素酵素)やMEOS(ミクロゾームエタノール酸化系)により分解され、悪酔いや頭痛、動悸の原因ともなるアセトアルデヒドになります。
さらに、肝臓内のALDH(アルデヒド脱水素酵素)により、酢酸へと分解されます。
この酢酸は血液により全身へめぐり、水と二酸化炭素に分解され、汗や尿、呼気中に含まれて外へ排出されます。



アルコールの過剰・長期摂取は当然ながら、肝臓へ負担となります。



肝臓への影響は理解できましたが、それ以外に、アルコールには脱水作用があり、血液中の水分を脱水させる働きもあります。
結果、血液中の水分量が少なくなり、血液の濃縮が起こり、血流不全の原因となります。

②の糖質ですが、過剰な糖が身体に影響を与えることはすでに理解していると思います。
糖化や血液粘度の増加による血行不良、膵臓をはじめとする臓器への負担など計り知れません。
ただし、ブドウ糖などは私には必要な物質ですので、体内のブドウ糖をゼロにすることはできませんし、する必要がありません。
あくまで過剰が問題となります。
お酒を飲む際、ビールや日本酒、マッコリなどには相当な量の糖が含まれています。
またジュースなどで割って飲むお酒も相当な量の糖が含まれています。
注意しなくてなりません。
③に関しては②と同じ理由です。
詳しい内容はこちらを参照してください。

糖質は控えめに
インスリン抵抗性

お酒は、百薬の長という異名を持っていますが、はっきり言って良いことはありません。
飲まないに越したことはありません。

このような理由により、妊活中は控えめにしてい来ましょう。

何かございましたらご質問ください。
銀のすず